2008/01/29
米フロリダ州にて米国内の空港にて、
保安検査の信頼性チェックがTSA(米運輸保安局)によって行われた。
乗客を装ってダミーボムを機内に持ち込むというもの。
TSAによると調査は全米の空港で日常的に行われている。
結果は通常公開されていないが、TSAの了解を得て公開された。
調査員ジェイソン氏(仮名)は捜査当局での40年間の勤務歴を持つベテランだ。
今回の調査では財布ほどの大きさに作られた薄型のダミーボムを使用。
チェストベルトの下に隠し持ち、乗客を装って保安ゲートに向かった。
直前に空港の保安業務責任者に連絡して、調査を実施することを伝えた。
しかし『検査官達には絶対に知らせないように』と指示をした。
氏がゲートを通過すると警告音が鳴る。
『膝の金属製人工関節のせいだ』と言った。
当初の作戦通り第二段階の検査を受ける。
両手両足を広げて氏の全身を検査官が金属探知機を当てる。
金属探知機は氏の膝とネックレス、ジーンズの金具に反応。
続いてゴム手袋を着けた検査官が手足や胴体を調べていく。
チェストベルトに気付いた検査官に氏は『膝だけでじゃなくて腰も悪いんだ』
と説明、そして検査はこれで終了。
氏は隠し持ったダミーボムを持ったままゲートを通過した。
氏はこの後で調査チームのメンバとゲートに戻り、検査官達に調査結果を伝えた。
『ダミーボムがたった今見逃された』と。
宣告を受けた検査官達は失望と反省に表情を曇らせた。
不合格となった検査官達は現場を離れて再訓練を受けることになる。
氏はこう語った。
『ここが難しい場面なんだ。クリティカルな問題は、』
『調査結果の重大さを理解せずに反省の色を見せない職員だ』
『そういう場合は特に厳しく注意することにしている』
TSA調査結果報告を米紙USA Today紙が2007年に、
『2005年から2006年にかけての結果報告を入手した』と報道した。
ロサンゼルス国際空港では約70回の調査で、
75%ダミーボムが見逃されていたことなどが表に出て批判を浴びた。
TSAは調査の意義は結果の評価そのものでなく、
検査官達に注意を促して検査システムの改善を図ることにある。
テロリスト達の手口が時代とともに変化していくのだから、
それを監視するシステムも常に進化する必要があるからだ。
TSAは氏による今回の調査を振り返った。
『人工関節が見つかったことで追及が甘くなった可能性が高い』
検査官達は何らかの病気や障害を持つ相手に対して、
立ち入った検査をためらう傾向がある。
テロリスト達がここに目をつける可能性もあるため対策が必要だ。
氏のチームはこの日、検査官らを集めてミーティングを開いてこう語った。
『今日の調査はいわば練習試合』
『しかし本番は毎日やってくる』
『乗客がゲートを通過する毎にそれが本番だと自覚してほしい』
アネコメ:
確かに『障害を持った人達の検査をためらう』という点に目をつける可能性は
十分ありえる。
予断だがアメリカン航空103便を墜落させたセムテックスは約2kgと言われている。
セムテックスを『人体』に隠し持つことが可能だ。
直腸に0.5kgと膣に1.5kg隠し持つことができ、これですでに2kgだ。
さらに胃などにも隠し持てば軽く2kgは超える。
セキュリティシステムに検知されずに、だ。
そして起爆装置。
PDAや携帯電話、ノートPCなどの電子部品から組み立てることもできる。
地上からの遠隔操作での無線起爆装置というのも考えられる。
補足:
セムテックスとは一般的に言うプラスチック爆弾のこと。
C-4(シーフォー)、コンポジション C-4などとも呼ばれる。
TVや映画などで壁やドアにくっついている粘土のようなアレのこと。
【初出(旧アネゴビアの泉)】
2008/01/18(金)
【移転(真・アネゴビアの泉)】
2009/02/26(木)

